CB処理:粗面化処理をしていない銅箔光沢面とポリイミドフィルムの接着剤レスでの複合化
従来技術によるフレキシブル配線基板用銅張り積層板FCCLの構造はベースフィルムとしてポリイミドフィルムを使用し、銅箔を積層していますが、接着剤または接着成分として熱可塑性ポリイミドにより接着しています。
CB処理技術を用いることで、ベースフィルムに、接着剤レスでCB処理した金属箔を積層し、熱ラミネートまたは熱プレスにより複合材料にすることが可能となります。
すなわちCB処理により、接着剤や接着成分としての熱可塑性ポリイミドが不要(接着剤レス)とな
ります。
また接着強度を高めるため、従来技術では銅箔表面の凹凸で、接着剤にアンカー効果を与える銅箔の粗面化が必須となります。しかし高周波帯域となると表皮効果により信号は導体の表面(1GHzで約2µm)に集中するので、伝送損失を低減するには、導体の表面は平坦であることが好ましいのですが、銅箔の粗面化のために表面に数µmの凹凸があり、信号はこの凹凸に沿って伝送されることになり、移動距離が長くなる分だけ損失が大きくなります。
CB処理技術では接着剤レスとなるため、粗面化処理せずに銅箔をフィルムと複合化できるので、接着面での抵抗が小さく、信号の伝送損失を低減させることができます。また、CB処理技術では接着剤よりも高い接着強度が得られますので、フレキシブルプリント基板を大きく屈曲させることが出来ます。
以下に、粗面化処理を施していない銅箔光沢面とポリイミドフィルムをCB処理で接合した際の剥離強度を示します。詳細の条件は現時点で非公開とさせて頂いておりますので、詳しくは当社までお問い合わせください。
180°ピール試験(JIS C 6471)
銅箔: 20μm(光沢面)、50μm(光沢面)
ポリイミドフィルム: 50μm
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貴社の基材をお預かりし、最適な処理条件を設計してサンプル(テストピース)を制作させて頂きますのでお気軽にお問い合わせください。