CB技術の得意分野やご提供方法について

CB技術は接着剤とは全く異なる方式で異種材料を接合する技術です。技術的なやり取りをスムーズに進めるために、あらかじめ知っておいて頂きたい、CB技術の得意分野、ご提供方法、納品形態などをまとめさせていただきました。お問い合わせの前にご一読いただけますと幸いです。

1.CB技術が得意とするのは、ロール、シート状の異種材料の熱ラミネートまたは熱プレス溶着

射出成型での溶着も技術的に可能ですが、当社ではロール、シート状の異種材料の熱ラミネートまたは熱プレス溶着を優先して取り組んでいます。CB技術では、金属やガラス、セラミックスなどの表面に化学的に植え付けた接合化合物(CB化合物)が、樹脂分子と化学的な結合力で接合・一体化します。(樹脂側にもCB化合物を化学的に植え付けた方が効果的な場合もあります。)一方、一般的な接着剤による接合や他の手法では、種々の手法で形成した材料表面の凹凸に接着剤や樹脂を流し込み、物理的に外れ難くするもので、いわゆるアンカー効果に依存した接合です。
CB技術による接合は、化学的な結合によって異種材料を接合するもので、材料表面の凹凸は必須ではなく、アンカー効果による接合とは原理的に全く異なる接合技術です。
CB技術では、ロールやシート状の金属(箔、板)やガラス、セラミックスなどの材料表面に反応性の官能基を導入し、さらに化学的に反応性の手を沢山持ったCB化合物を植え付けて(すなわち、化学吸着・結合させて)います。例えば、フィルムやシート状の樹脂を材料上のCB化合物に加圧・密着させて、熱エネルギーを与えると、CB化合物と樹脂分子とが化学的に反応して結合し、異種材料を接合します。

 

2.ご提供方法

お客様のご要望に応じてご提供させて頂くために、以下のようなバリエーションをご用意しております。

1) 提供製品の加工・処理レベル

A:積層(ラミネート)したロール、シートとしてのご提供

B:塗工材でのご提供(貴社でラミネート(積層))

樹脂(フィルムなど)または金属箔,金属板,ガラス等に、前処理およびCB化合物溶液を塗工してご提供(塗工品の提供。貴社でラミネート(積層))

C:CB薬剤のご提供:(貴社で前処理、塗工から実施)

CB化合物溶液および前処理薬剤の溶液
(貴社で前処理、塗工工程から実施)

 

2)納品形態

   ロール or シートでのご提供。または薬剤のみでのご提供。

3.テスト段階から薬剤の個別設計が必須(ロール、シート状の異種材料の熱ラミネート、熱プレス溶着における)

そもそも接合が困難な異種材料の接合を目指すのですから、市販の接着剤等のような“汎用的な薬剤”をご提供することは極めて困難です。従ってCB化合物には汎用グレードは存在しません。CB技術をご利用いただくには、当社の手元にある薬剤を試しに塗って気軽に確かめるということではなく、テストの段階から貴社の材料や要求仕様をお伺いしての個別設計が重要となります。


個別設計が必要な理由1:
そもそも広く使用されている接着に関しても、接着応力の種類、接合部設計方法が多岐にわたります。ロール、シート状の材料にCB技術を適用するにも、実際の用途に合わせた接合強度を発揮できるように、諸要素を設計する必要があります。

適用する製品の用途によって、試験法、規格値が異なる
プリント基板関係:JIS C 5012/ JIS C 5016/ JIS C 6471/ JIS C 6481など
包装材料関係:JIS Z 0238、日本薬局方など

個別設計が必要な理由2:
同じ名称の材料でも組成、構造、特性が異なる。

例えば「ポリイミド」など一般名称が同じ樹脂フィルムであっても、メーカーやグレードによって化学構造、特性などが異なります。また同様に、「銅箔」などの金属材料も、メーカーによって、製造方法、表面処理方法の違いなどで特性が異なっており、接合に関わる性能を大きく左右します。また、それらの違いは公表されていない事項が多いため、実際に評価して判断せざるを得ないのが実情です。

以上、接着剤との違いを念頭に置きながら、CB技術のご提供方法などについてご案内させていただきました。
当技術にご興味がございましたら、お打ち合わせの上、まずは貴社の材料をお預かりし、最適な処理条件を設計してサンプル(テストピース)を制作させて頂きますので、お気軽にお問い合わせください。

 


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