電子材料向け異種材料接合技術|CB技術へのQ&A集

電子材料関連のCB技術Q&Aをまとめてみました

5G通信の本格化や、自動運転技術の革新(ADAS、LiDARなど)、ICTでの高速ネットワーク化などを背景に、高速伝送対応へのニーズが一段と強まっており、電子材料では高速伝送対応で求められる低誘電特性、はんだ、リフロー耐熱性などの要求を満たす製品開発が進められています。

このような中、ポリイミド(変性ポリイミド、MPI)、LCP(液晶ポリマー)、フッ素系樹脂フィルムなどの基材と銅箔(特に、低粗度銅箔)の接合強度を確保するために、当社のCB技術の適用が広く検討されています。

そこで、当記事では、CB技術に寄せられるお問い合わせ・ご質問の中で、電子材料関連のものをまとめてみましたので、貴社検討の際のご参考になれば幸いです。

ご 質 問 回 答
CB技術の色調や溶剤などの基本的な材料特性は? コーティングされたCB層は透明で可視光透過率に影響を与えません。CB溶液の特性は、CB剤や用途に応じて選択される水、アルコール、有機溶剤などの溶媒によって決まります。
CB技術の処理方法として、スプレー法、ロールコーティング法、浸漬法の中で適さない方式はありますか? 特に、平置きした基材にスプレーコートできますか? CB溶液の粘度は非常に低く、その粘度は主に溶媒によって決まリます。CB溶液は、粘度が低く、塗膜の厚さが非常に薄いため、基材を水平に置いたスプレーコートでは、溶液がはじいたり、流れたりして、均一なCB層を作ることは困難です。
CB技術を使用する場合に推奨される処理方式は何でしょうか。また調整にはどのような溶剤を使用しなければなりませんか? 当社では、グラビアコーティング方式を推奨しています。溶剤は、CB薬品の溶解性や塗装工程を考慮して、IPAや水を使用しています。
CB技術は何材料に分類されますか? 有機材料となります。
塗装の前にどのような表面処理が必要ですか?特別な装置が必要ですか? 使用するフィルム、エポキシ板や箔には、油分や汚れがないことが必要です。 CB技術では前処理が必要な場合があります。その工程は素材によって異なります。詳しくはお問い合わせください。
銅箔の場合、どのような表面処理が必要ですか? 銅箔を粗面化する黒化処理などは不要です。                    電解銅箔のNi、Crなどの金属層や防錆層は、CB剤の塗布性を低下させますので、洗浄・除去が必要な場合があります。                      圧延銅箔は、銅以外の成分がないので、通常、表面処理は行いません。
CB技術のプロセスで使用される材料は全て同じですか? CB剤は、要求される製品に対応して設計されているため、化学物質は同じではありません。
CB技術のコーティングの厚さの範囲は? 通常のCB層の膜厚は50~500nm程度です。
CB剤塗布後の予備熱処理の方法と温度は? 予備熱処理は、CB剤や基材に応じて100~200℃、5~10分程度です。   シート材の場合はオーブンで、ロール材の場合はコーティングラインに設置された乾燥炉で行います。
予備熱処理の目的は? 予備熱処理は、塗布されたCB剤溶液を乾燥させるとともに、CB剤と基材を初期的に化学結合させるためのものです。
電解銅箔の表面処理層をCB層に置き換えることは可能ですか? CB技術は、金属箔と樹脂基材を化学的に接着する技術です。銅箔と母材の間にCB層を形成します。                                   したがって、CB技術は、銅箔の樹脂基材密着層として適用可能です。     CB技術の利点は、アンカー効果なしに銅箔を樹脂基材に密着できることです。CCL上のベース樹脂に張り合わせる銅箔や他のCCLを密着したい場合、CB技術を適用できます。
CBは従来の銅箔の表面処理が不要になりますか? 黒化処理のような粗面化層の代わりに、CB層により樹脂フィルムを積層することができます。
FCCLのラミネート装置は? シートのラミネートには、真空熱プレス機を使用します。              弊社は、ロールtoロールのラミネート技術を持っておりません。既存のダブルベルト方式は適用可能と考えております。
電解銅箔と圧延銅箔いずれも使用可能ですか? いずれも可能ですが、電解銅箔を使用する場合は、電解銅箔の表面処理がメーカーやグレードによって異なるためテストが必要です。CB技術は素材に合わせて調整する必要があります。
PI(ポリイミド)のダイレクトメタライズは適用できますか? 銅めっきは適用可能と考えておりますが、工程は開発中です。
CBはドライフィルムと銅箔の接着に使用できますか? ドライフィルムの組成により、CBが適用できる可能性があります。しかし、適用可能かどうかを確認するためには、いくつかの実験が必要です。
塗布・乾燥後にCBを除去する方法はありますか? 洗浄用の試薬とそれを用いた洗浄方法があります。
CBの耐熱温度はどのくらいですか? CB剤は、PIフィルムと銅箔の貼り合わせには330℃、FR-4基板を作るための熱プレスには280℃で使用されます。CB剤は基板と金属の間に配置されるため、熱ラミネート工程では空気や酸素に触れず安定しています。
CB処理後の保管環境と有効期限は? CB処理を施した製品は、通常のオフィス環境である温度25℃以下、湿度60%RH以下での保管を推奨します。なお、保存期間は1ヶ月を限度とします。
CBでの処理後、銅の酸化は避けられますか? 通常の銅箔用CB剤は、上記の保存条件で耐酸化性を有しています。ただし、選択したフィルムや金属が特殊な場合は検討が必要です。

 

 

お問い合わせ