ガラスとポリイミドフィルムの接合

ガラスとポリイミドフィルムの引き剥がし強度 >0.6N/mm

CB技術を適用したガラスに東レ・デュポン製ポリイミドフィルム「カプトンEN」の100ENまたは200ENフィルムを熱プレスした試験片について、180°引き剥がし試験した結果から、CB技術によるガラスとENフィルムの引き剥がし強度は、少なくとも0.6N/mmを超えるものと判断されます。

 

1.目的

ポリイミドは強固な分子構造を持っており、高耐熱性に加えて寸法安定性など、機械的性質や化学的性質も他の樹脂にない特性を有しています。高い耐熱性を有するため、基板材料をはじめとして電子部品などの製造工程など様々な分野で活用されています。 ポリイミドフィルムとガラスにCB薬剤を塗布(コーティング)することによって、接合・接着において優れた強度を得られます。

ただしポリイミドフィルムはメーカーやタイプ(グレード)による違いがあるため、今回、具体的にメーカー名を開示してポリイミドフィルムとガラスの接着・接合における引き剝がし試験を示します。

 

2.試験材料

本試験に使用した材料とCB薬剤の塗布について、表1にまとめました。本試験に使用したガラスの厚さは700μmであり、ポリイミドフィルムは、東レ・デュポン製100EN(25μm)と200EN(50μm)。試験片を作成したガラス、ポリイミドフィルムの寸法は、50mm角。それぞれの材料に対する前処理、ガラスに塗布したCB薬剤は、いずれのポリイミドフィルムも同じ。

表1 試験材料とCB薬剤塗布

テストピースイメージ

3.結果

厚さ25μmの100ENと50μmの200ENの180°引き剥がし試験チャートを図1に示します。
100EN、200ENそれぞれについて、試験片No.1~No.2の2本のチャートを示しています。100ENでは、試験片No.1とNo.2とも伸びが1mmほどで、縦軸の試験力が3.4Nでフィルムの一部が破断した後、部分的な破断を繰り返しながら、フィルム全体が破断しています。
一方、200ENにおいては、100ENと異なり、11ないし12mm伸びたのちに試験力5.9、5.7Nでフィルムが破断。100ENフィルムが破断した強度は、フィルム自体の強度を示しているのに対し、厚い200ENではフィルムが大きく伸びて破断したことかから、CB技術によるガラスとカプトンENフィルム界面の引き剥がし強度は、少なくとも0.6N/mmを超えるものと判断されます。
また化学的な接合を行うために接合強度をコントロールでき、たとえば強度を弱くすることで後工程での再剥離時に剥がしやすくすることも可能となります。
さらには低誘電率・低誘電正接を活かして高周波基板材としても使用されるCOPについても優れた接合強度が得られることが期待できます。

図1 ガラスとポリイミドフィルムの180°引き剥がし試験チャート

 


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