CB技術:銅箔やアルミ箔の表面平滑性を保ったまま、基材フィルムと強固に接合
配線の微細化(ファインピッチ化)が進むと、数µmの表面粗度を有する従来の銅箔を使用した場合、エッチング時に銅回路トップ部が細くなり、部品実装不良が発生しやすくなります。また高周波数帯においては、使用する電波の周波数が高くなるほど電波がプリント基板の回路中で熱に変わり、伝送損失が大きくなります。周波数が高くなると図のように、表皮効果により信号は導体の表面(1GHzで約2µm)に集中します。導体損失を低減するには、導体の表面はできる限り平滑であることが好ましいと言えます。
また従来では、銅箔とポリイミドなど基材との接着力は、物理的形状(粗化処理によるアンカー効果)により確保されていました。しかしながら上記のように表面平滑性に優れた銅箔、すなわちアンカー効果を得られない銅箔を使用した場合においても、十分な接着力を確保する必要があります。
一方、当社が開発したCB技術は、化学的に接合させる技術であり、接着剤レスでアンカー効果を必要とせずに銅箔とフィルムを複合化することができます。またCB技術では、組み合わせによっては接着剤よりも高い接着強度が得ることができますので、フレキシブルプリント基板を大きく屈曲させることも可能となります。
また接着剤分の厚みが不要となりますので、基板を薄くすることにも貢献いたします。
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事例:LCP(液晶ポリマー)- 平滑/低粗度・無粗化圧延銅箔FCCL
Transmission Loss of FCCL with Liquid crystal polymer and copper foil as rolled
伝送損失-3dBで、周波数20GHzを達成!
特性インピーダンスZ0=50Ω
圧延銅箔厚さ: 18μm
LCP厚さ: 100μm
カバーレイ: なし
測定装置: Agilent Technologies社製
ネットワークアナライザE8363B
測定環境: 温度 20~25℃
湿度 40~60%RH
1)低誘電率、低誘電損失(tanδ)を有する材料である液晶ポリマー(LCP)を用いること、
2)表皮効果による損失を避けるため、粗面化しない銅箔面を使用すること、
3)接着剤を使用しないでラミネートすること、
により、優れた伝送損失特性が得られました。
銅箔の引き剥がし強さ:> 0.7 N/mm(常態、加熱処理後、はんだ浸漬処理後、薬品浸漬後いずれも)
伝送損失測定条件/ Test Conditions of Transmission Loss
カバーレイヤー/ Cover layer: なし/Non
CB技術は、すでに基板関連での量産採用実績もある技術ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。